
界 アンジンと界 伊東、違いがよくわからないんだよね
星野リゾートの伊東エリアで一人旅を考えていると、必ずといっていいほどこの2つの宿で迷うはず。「どっちが女性の一人旅に向いてる?」「女性一人でも安心して泊まれるの?」と感じた方も多いのではないでしょうか。
実際に私も悩みましたが、最終的に選んだのは「界 アンジン」。理由は、海を眺めながら静かに過ごせる空間と、お酒好きにはたまらない“おもてなし”があったからです。
この記事では、実際に「界 アンジン」へ女性一人旅をした筆者が、「界 伊東との違い」や「アンジンで気になった点」を正直にレポートしています。どちらの宿が自分に合うか迷っている方に向けて、体験ベースで比較しているので、宿選びの参考にぜひ最後までご覧ください。
界 アンジンと伊東の違いを解説

女性一人旅に界 アンジンを選んだ理由
界 アンジンを選んだ理由は2つあります。
1つ目は、「ビールを飲みながら静かな海を眺めて、自分だけの時間をゆっくり過ごしたい」という気持ちが強かったので、「界 アンジン」を選びました。

界 アンジンでは、海を眺めるテラス(サンブエナデッキ)でビールが飲み放題という、お酒好きにはたまらない体験が用意されています。船旅をイメージした開放的な空間で、のんびり過ごす時間にとても惹かれました。このサンブエナデッキやビールの感想については、「界 アンジンのサンブエナデッキで楽しむビールのひととき」で詳しくご紹介しています。
そしてもうひとつの理由が、客室・温泉・お食事処どこからでも海が見える、オーシャンビューの絶景。

実際に滞在してみると、サンブエナデッキからの眺めや、部屋のソファでくつろぎながら時間によって変わる海の景色がとても心地よくて、「一人旅って、こういう時間のためにあるんだな」と実感できる滞在になりました。
和の雰囲気が好きなら界 伊東がおすすめ

私自身は「界 伊東」には泊まったことがないのですが、和の雰囲気をしっかり味わいたい方には「界 伊東」がおすすめです。
庭園や足湯がある落ち着いた和の空間や、椿油づくり体験といった“和文化”に触れられるご当地楽も魅力的です。また、プールがあるのも「界 伊東」ならではの特徴。もし、私が家族で行く場合には界 伊東を選びます。
アクセス面でも、「界 伊東」はJR伊東駅から徒歩約10分で、立地の便利さを重視したい方にはとても良さそうです。
「界」シリーズは和風の雰囲気が多いですが、アンジンは少し違いました。船内をイメージしたような空間で、まるで航海中の船の中にいるような気分に。

界 アンジンは女性の一人旅でも安心?
安心です◎ただ、気になった点も…
「女性の一人旅って不安…」という方に向けて、実際に泊まって感じた“安心ポイント”と“気になった点”を正直にまとめてみました。
Q. 館内の雰囲気や客層は?
団体客も見かけず、静かで落ち着いた空間で過ごせました。客層については、他の宿泊客とほとんど顔を合わせることがなく、年齢層などははっきりとはわかりませんでした。“人に会わない”という意味でも居心地がよかったです。
スタッフさんに伺ったところ、中国からのゲストも一定数いらっしゃるそうで、中国語を話せるスタッフさんもいるとのことでした。
Q. 一人でも浮かない?
むしろ一人でいることが自然に感じられる雰囲気でした。「界」シリーズは客室数が少ないので、館内では他の宿泊客とほとんど顔を合わせることがなく、人目を感じる場面はほとんどありません。また、食事は半個室なので、周囲を気にせず自分のペースで食事を楽しめました。
客室、共有スペース、お食事処、どこにいても一人でも落ち着ける穏やかな空間が広がっていて、とても心地よく過ごせました。
Q. 迷わずたどり着ける?
駅から歩く場合はマップ必須です。伊東駅からは徒歩15分程でアクセスできますが、夜は海沿いで街灯も少なく、窓から見る景色は真っ暗でした。道自体は単純なので、マップがあれば迷うことはないと思います。不安な方は、タクシー利用のほうが安心かもしれません。詳しいアクセス方法については、「界 アンジンまでのアクセス方法」でご紹介しています。


道中も景色がキレイで、飽きずに散歩がてら来れたよ
Q. 衛生面・トイレは?
客室や館内の清掃は全体的に行き届いていて、清潔感はしっかりありました。客室はバス・トイレ別で、シャワールームのみの仕様です。浴槽(バスタブ)は備え付けられていません。
ただ、お食事処のお手洗いは男女兼用で、清掃がやや行き届いておらず、人によっては少し不安に感じるかもしれません。

これが唯一の残念ポイント…
Q. 他に気になった点は?
海沿いという立地の影響か、私が夏場に宿泊した際に、客室内に大きめの虫が出る場面がありました。電話で連絡したところ、すぐに対応してくださり、その後は不安もなく快適に過ごせました。
虫が苦手な方は、夏場は念のためご注意を
すべてが完璧というわけではありませんが、全体としては女性の一人旅でも安心して過ごせる宿だと感じました。人目を気にせず、自分のペースでのんびり過ごせる「界 アンジン」は、“一人時間”を大切にしたい方にこそぴったりだと思います。
界 アンジンの客室|開放的な“船旅空間”
私が泊まったのは、一人旅での滞在におすすめのダブルのお部屋。全室オーシャンビューで、部屋に入った瞬間、目の前に広がる海がキラキラと光を反射していて、想像以上の開放感に驚きました。

室内は、船の古材や格子が使われた落ち着いたデザイン。まるで旅に出る前の船室のような雰囲気が漂っていて、非日常の空気を感じられる空間です。
特に印象に残っているのは、時間帯によって変化する海の景色。朝起きたとき、ふと部屋に戻ったとき、いつでも誰にも気兼ねなく、この海の景色をひとりじめできるのは、一人旅だからこそ味わえる贅沢さだと思います。

他の「界」シリーズより少しコンパクトに感じたけど、一人旅にはむしろ◎
「界 アンジン」は約39㎡あるため、広めのお部屋でゆったり過ごしたい方には、界 伊東のほうが向いているかもしれません。※部屋の広さや造りはお部屋によって異なります
界 アンジンの温泉|海風感じる最上階の湯処
お風呂は、内風呂・露天風呂ともにオーシャンビュー。アルカリ性単純温泉で、肌あたりがやさしく、刺激の少ない泉質です。
内湯

露天風呂

朝・昼・夜で表情を変える海の絶景と、心地よい波音に包まれて、時間を忘れるようなリラックスタイムが過ごせました。湯上がりには、ご当地ドリンクやIPAビール(無料)で“ととのい時間”を。海と風を感じながらの一杯は、まさに極上でした。
サンブエナデッキで楽しむビールのひととき

このテラスで過ごす時間が、今回の一人旅のいちばんの目的でした。「界 アンジン」では、湯上がりドリンクとしてIPAビールとソフトドリンク(りんご酢)を無料で提供しています。

IPAビールってなに?

IPAビールは、香りが華やかで少し苦味のあるクラフトビールの一種だよ
私は普段あまりビールを飲まないのですが、このIPAビールは驚くほど爽やかでフルーティ。ビールの苦味が苦手な方でも飲みやすく、“夏にぴったりの一杯”だと感じました。

苦味がしっかりしたビールが好きな方にはやや軽く感じるかも
苦味がしっかりしたビールが好きな方にはやや軽く感じるかもしれません。
サンブエナデッキでは、海風を感じながらビールを楽しめて、まさに船旅気分。夕焼けに染まる空、心地よい夜風、朝日が差し込む朝——どの時間も、ここで過ごすひとときが特別な思い出になりました。
ビールの提供時間は季節によって変動があるので、事前に公式サイトなどでご確認を
※ビールの提供は20歳以上限定
こだわりのフレーバーティーも飲み放題

界アンジンでは、三浦按針がイギリスから日本まで旅した実際の航海ルートに沿って、各地の茶葉やハーブを使ったフレーバーティーが飲み放題なんです。もちろん、お気に入りの紅茶をお部屋でもいただけます。
私はコーヒー派なので、正直フレーバーティーはあまり飲めませんでしたが、紅茶好きな方にはたまらないラインナップだと思います。
界 アンジンのお食事
夕飯:界 アンジンならではの和会席

夕食は、多彩な素材で仕切られた半個室のお食事処でゆったりといただきました。古書や染布、カラーアクリルなど15種類の素材で構成されたパーテーションは、まるでアート空間のようで、食事前から目を楽しませてくれます。

私が案内された席は窓際で、海をみながら楽しめました
・先付け:烏賊メンチ南蛮漬け

船型の器に「アンジンらしさ」が詰まっていて、最初のひと皿から宿のこだわりが伝わってきました。
酸味がきいた烏賊メンチは、日本酒との相性もばっちり。
・煮物椀:とうもろこし葛豆腐、唐黍(とうきび)つくね

透明感のあるお出汁に浮かぶ姿は上品で、見た目にも涼やかでした。金属のような光沢のある器も印象的で、「船旅」をテーマにした界 アンジンらしさを感じられるひと品です。
・宝楽盛り(ほうらくもり)
八寸・お造り・酢の物などを盛り合わせた料理で、見た目も華やかで、季節の食材を味わえるのが特徴です。


一人分だと写真が寂しくなるのが悩み…
料理区分 | 内容 |
---|---|
八寸 | 海老とブロッコリーの松風、合鴨ロース、オレンジ酢味噌かけ、 丸十おかき揚げ、まぐろとアボカドの酢ゼリー、 つぶ貝の柔らか煮、苦瓜とえんどう豆の和え物、海老のいそべ揚げ |
お造り | 界アンジン流 お造り取り合わせ |
酢の物 | 土佐酢和え(旬の恵) |
揚げ物:たたき海老の新挽き揚げと野菜の天麩羅
抹茶塩でいただくスタイルで、さっぱりと楽しめる内容でした。※写真を撮り忘れてしまいましたが、記憶に残る美味しさだったのでご紹介だけしておきます
蓋物:穴子けんちん蒸し

ふんわりとやわらかな穴子に、上品なお出汁。わさびの香りがアクセントになっていて、とろけるような穴子と優しい味わいの組み合わせがたまりません。お酒がまわりきって、体もぽかぽかしてきたころに、ほっと心が和むひと品でした。
土鍋ご飯:牛時雨煮、実山椒、留椀、香の物

界といえば、やっぱり“土鍋ごはん”。
月1ペースで界に訪れていると、どうしても土鍋ごはんの内容が被ってしまうことがあります。なんと、前回他の施設でいただいたメニューと被らないように、特別な内容に変更してくださいました。
実はこれ、界アンジンに限らず、他の施設でも対応してくださることがあるんです。来すぎてる自分にちょっと恥ずかしくなりつつも、最高のおもてなしに毎回感動…
界アンジンらしい船のデザインの土鍋もかわいくて、味ももちろん絶品でした。
- 界シリーズでは施設ごとに土鍋のデザインや味が違うので土鍋の写真は必須
- ご飯が食べきれない場合はお部屋で食べられるよう包んでもらえるので安心
甘味:アンジン特性 ぐり茶のクレームブリュレ

一口食べた後に、写真を撮り忘れていたことに気づき、慌てて撮影。
「ぐり茶」は、抹茶のような濃厚な香りがありつつ、渋みが少なくまろやかな味わいの緑茶。クレームブリュレの甘みとの相性が抜群で、お茶スイーツ好きにはたまらない一品でした。
器までこんなに“粉まみれ”なスイーツはなかなかなく、絶対にむせるので要注意。でも美味しすぎて、思わずスプーンが止まりませんでした。
朝食:界 アンジンならではの和食膳

朝からほっと温まる鯛の潮汁に、金目鯛と鯵の焼き魚。どれもとっても美味しかったです!
豪華な朝ごはんって、それだけで旅の満足度が一気に上がる気がします。界の朝ご飯は豪華で、でも優しくて。一人暮らしの日常ではなかなか味わえない、贅沢な時間がしみるんです。
界 アンジンまでのアクセス

私は電車で向かいましたが、乗り換えが少し不便に感じたのと、周辺観光の移動もしやすいことから、個人的には車でのアクセスがおすすめです。
電車・徒歩で行く場合
JR伊東駅が最寄り駅です。東京駅からは新幹線で熱海駅まで行き、そこからJR伊東線に乗り換えて約2時間弱で到着します。

この乗り換えが、本数も限られてて面倒だった…
タクシーで行く場合
- 伊東駅からタクシーで約5分
- 駅を出てすぐの乗り場からスムーズに乗車可能
- 料金は1,000円前後
車で行く場合
- 東京方面から:東名高速道路「厚木IC」→小田原厚木道路・国道135号経由で約100分
- 名古屋方面から:東名高速道路・沼津ICから約70分

駐車場(無料)もあるから、海沿いをドライブしながらのんびり来るのも◎
界 アンジン 周辺観光&グルメ
今回は地元から近いということもあり、チェックアウト後は伊東駅周辺を観光せずにそのまま帰宅。でも、伊東にはマリンタウンや大室山など、まだまだ魅力的なスポットがたくさんあります。界 アンジンの周辺観光については、公式サイトで詳しく記載しています。
周辺観光
伊東マリンタウン

海沿いにある「伊東マリンタウン」は、レストランやお土産ショップ、温泉施設などが集まった道の駅。カラフルな建物が並ぶリゾート感あふれるエリアで、開放感のある海辺の散策も楽しめます。すぐそばにはヨットハーバーが広がり、潮風を感じながらのんびり過ごせるのも魅力です。
詳しい店舗情報や最新イベントは、伊東マリンタウン公式サイトでチェックできます。
大室山

伊東のランドマーク的存在「大室山」は、きれいな円すい型が特徴の休火山。リフトで頂上まで上がると、そこにはぽっかり空いた火口が広がっています。火口の周りは“お鉢巡り”としてぐるっと一周歩ける遊歩道になっていて、360度の大パノラマが楽しめる絶景スポットです。公式サイトでは、大室山のリフト情報や季節の見どころも紹介されています。
周辺グルメ
界アンジンのチェックインは15時からなので、それまで伊東駅周辺をのんびりお散歩。せっかくなので、ランチやカフェも楽しみました。
楽味家まるげん
「楽味家まるげん」さんで、少し早めのランチを。伊東温泉名物 うずわ定食をいただきました。平日11時半に伺ったときは並ばずに入れましたが、13時前には数名の待ちができていました。


うずわ ってなに???
うずわとは「ソウダガツオ」というお魚。とっても美味しいけれど鮮度落ちが早く、生で食べられるのは水揚げ地周辺や漁師さんの特権なんだそうです。
なんとこのうずわ定食、3回も味変が楽しめるんです!
- 醤油に浸けてそのまま食べる
- ご飯にうずわをのせて一気にかっこむ
- 熱々のお出汁をかけて混ぜて食べる
- ボリュームたっぷりなので、朝食は控えめにしておくと◎
- 人気店なので、お昼時は行列覚悟
Cafe TATI
お腹いっぱいで観光に集中できなくなったので、チェックインまでの時間は界アンジン近くのカフェ「Cafe TATI」さんでひと休み。
星野リゾートに泊まるときは、地元のスイーツをお部屋で食べるのが私の楽しみの1つです。チョコタルトをテイクアウトして、店内ではコーヒーだけいただきました。

まとめ
紅茶やビール、そして海が好きな方にとって、界 アンジンはご褒美のような宿。海を眺めながらのんびり過ごす時間は、日々頑張っている自分への贅沢なプレゼントになります。
一人旅に不安がある方も、星野リゾート 界 アンジンで過ごす時間が「一人旅って最高かも」と思えるきっかけになるかもしれません。新しい一歩を踏み出す、その後押しになれたら嬉しいです。