
星野リゾート一人旅って浮かない…?一人でも楽しめる…?
そんなふうに悩んで、なかなか一歩が踏み出せない方も多いのではないでしょうか。この記事では、私が「界 アルプス」で一人旅デビューしたときの体験をもとに、宿の特徴や気をつけるべきポイントを詳しくご紹介します。
結論、界 アルプスは「一人旅デビュー」にぴったりの宿です。
私自身、最初は不安だらけでしたが、落ち着いた雰囲気と心のこもった接客に、自然と肩の力が抜けていきました。現在では星野リゾート10施設以上を一人で巡るほどハマっていますが、ここは今でも特別な場所です。
この記事を通じて、初めての一人旅を成功させるヒントや、後悔しない宿選びの参考になれば嬉しいです。ちなみに私は通常予約で泊まりましたが、今なら「ふるさと納税」を活用してお得に宿泊する方法もあります。
界 アルプスが一人旅にぴったりな理由
① チェックインから翌朝まで楽しめる「ご当地楽」が豊富
界 アルプスでは、チェックイン後すぐに始まるご当地楽が充実していて、滞在中は一人でも“イベント感”が味わえるのが嬉しいポイントです。
界アルプスのご当地楽については、こちらに記載しています。
② 「田舎らしさ」に包まれて、界らしくのんびり癒やされる
都会の喧騒から離れて、山に囲まれた温泉郷で過ごす時間はまさに“何もしない贅沢”。館内も静かで落ち着いていて、「ひとりだからこそ心地よい」と思える空間でした。
初めての一人旅でも緊張せずに過ごせたのは、このゆるやかな“田舎の温もり”があったからかもしれません。
③ 四季・時間帯ごとに表情が変わり、いつ訪れても楽しめる
朝・昼・夜と、時間帯によってまったく違う景色が楽しめて、一人旅だからこそ“季節と向き合う旅”になるのも界 アルプスの魅力だと感じました。
チェックイン|界 アルプスの到着〜館内案内
雄大なアルプスの山々を有する長野県。界 アルプスの位置する大町温泉は北アルプス観光の玄関口となっています。

入口に立つ、和モダンな門柱に「界 アルプス」の文字。その奥へと続く小道がなんとも趣があって、まるでこの先に“非日常の世界”が待っているような気持ちになります。
入口付近にはけん玉やコマなどの昔ながらの遊び道具も置かれていて、田舎のおばあちゃん家に来たような懐かしさを感じました。
私は夕方に到着したので、ほんのり灯る照明に包まれながらチェックイン。…なのですが、ここでさっそく失敗ポイント。
チェックインが遅すぎて、施設をじっくり楽しめなかった。
界 アルプスのチェックインは15時から可能ですが、初めての一人旅で星野リゾートの楽しみ方がよくわからず、チェックインはまさかの17時前…。今となっては信じられない失敗。本当に大後悔です。
界 アルプスのご当地部屋|信濃もてなしの間

界 アルプスの客室は、「信濃もてなしの間」と呼ばれる“ご当地部屋”。
長野県大町市で活動するきりえ作家・柳沢京子さんによるアートフレームが飾られ、信州らしい趣を感じさせてくれます。
伝統工芸・松崎和紙を使った行灯のあたたかな灯りも印象的で、夜はそのやさしい光に包まれて、自然と心がほぐれていきました。
私が泊まったのは1階の客室で、温泉やダイニングへのアクセスがしやすく快適。
リビングスペースには段差があり、掘りごたつのように足を伸ばして座れる造りで、
ひとりでもゆったりとくつろげる空間でした。

掘りごたつのように少し段差がある造りになっていて、心地よかった
温泉|界 アルプスの大町温泉・露天風呂体験
界 アルプスの温泉は、「大町温泉郷」の湯。北アルプスの麓に湧く湯量豊富な秘湯・葛温泉から引いた、アルカリ性単純温泉です。内風呂と露天風呂があり、どちらも自然の恵みをたっぷり感じられる癒しの空間でした。
温泉へ向かう道があまりに素敵で、思わず写真を撮ったことを覚えています。
澄んだ空気に包まれた中庭には、小川のせせらぎが静かに響き、ほんのり灯るライトがやさしく足元を照らしていました。夜の静けさの中で、心がふわっと落ち着くような感覚になります。

露天風呂

カラマツ林に囲まれた露天風呂では、澄んだ空気の中でゆっくり楽しめます。湯船からは、アルプスの山々を遠くに眺めながらのんびりと。定番の言葉しか出てこなかったのですが「さいっこー‥」と何度も小声でつぶやいたことを覚えています(笑)
内風呂

大浴場の窓からは四季の移ろいを感じられます。春は芽吹き、夏は新緑、秋には黄金色、冬は雪化粧と、どの季節に訪れても違った表情を楽しめるのも魅力です。
湯上がり処でひとやすみ

温泉の後は、湯上がり処でほっと一息。窓際のソファでゆったりと身体を休めながら、りんご酢やそば茶のドリンク(無料)でミネラル補給。ぽかぽかの体を大自然の中で静かに落ち着かせる、至福の時間でした。
温泉へ行く回数が少なく、内風呂の記憶がほとんどない。
チェックインが遅く、夕食に間に合わせるため客室のシャワーで済ませました。天井から降る珍しいタイプでテンションは上がったものの、やっぱり温泉に入らなかったのはもったいなかった…。今思えば、短時間でも温泉に行っておくべきでした。
ただ、ガラス張りの空間でおしゃれ気分が味わえ、界オリジナルの化粧水などアメニティも充実。シャワー自体はとても快適でした。
お食事
夕食|界 アルプスのご当地会席ディナー

周りからどう見られるんだろう…
一番緊張していた一人での夕食は、キョロキョロと落ち着かなかったのを覚えています。でも、最初の料理が運ばれてきた瞬間からもう周りの目なんてどうでもよくなってました。半個室ということもあり、周りの目なんて全く気になりません。
窓際の席へ案内していただき、どこか懐かしい田舎の風景を眺めながら、ゆっくりと夕食をいただきました。
先付け:ローストビーフと信州サーモンの鳴門

中庭の小川を思い出すような、美しい盛り付け。左に添えられた“自分ですりおろす香り高いワサビ”がアクセントになっていて、とっても美味しかったです。
宝楽盛り
八寸、お造り、酢の物などを盛り合わせた料理で、見た目も華やかで、季節の食材を味わえるのが特徴です。

料理区分 | 内容 |
---|---|
八寸 |
落花生旨煮、秋刀魚幽庵焼き、鶏と干し葡萄の松風、炙り太刀魚寿司、 長芋すり流し 三杯酢ジュレ、烏賊の酒盗和え とびこ 菊花、いんげんの胡桃味噌 |
お造り | お造り取り合わせ |
酢の物 | 筍の土佐和え |
どのお料理にも、界 アルプスならではの「どこか懐かしい田舎感」がしっかり漂っていて、見るたび・食べるたびにテンションが上がりました。
土鍋ご飯:紅葉鯛の割り地焼き 松茸 白舞茸

趣のある土鍋を開けた瞬間、まさかの色鮮やかで可愛いご飯が登場。そして贅沢に広がる松茸の香り。この時点で、星野リゾートの虜になっていました。
ですが、ここで今思えば失敗ポイントが2連続。
土鍋全体の写真がない
界では施設ごとに土鍋のデザインが違っていて、料理とセットで絵になるので土鍋の写真は絶対に撮っておくべきです。
土鍋ご飯はお部屋に持ち帰れることを知らず、お腹がはちきれそうになるまで、つい完食してしまいました。
界ではほとんどの施設で、土鍋ご飯を夜食用に包んで部屋に持ち帰ることができます。「お腹いっぱいだけど今食べなきゃ…」と無理して完食するのは、もったいない!
甘味:林檎のシャーベット はちみつと山葵(わさび)の香り

右下のソースをかけていただきます。味、お皿、見た目がとってもお気に入り。先付けからデザートまで、わさび好きにはたまらない夕食でした。
朝食:界 アルプスの和朝食

どれもごはんがすすむものばかり。お粥おかわりしたにもかかわらず、白飯をおかわりしました。
ここで失敗ポイント3連続。
朝食の「お品書き」を写真におさめていなかった。
最初は「こんなに美味しいの覚えてられる」と思ってましたが、詳細を思い出そうにも限界が。せっかく丁寧に説明していただいたのに、記録なしはもったいない。自分を過信したことが悔やまれます。
ガスコンロの上にある汁物が写っていない。
豪華な朝食に興奮して、「写真を撮った」ということに満足してしまい、帰宅後に写真を見返して後悔しました。
お粥食べるなら、朝食時間遅めにしたほうが良い。
お粥をしっかり2杯食べたあとに朝食だったので、「あと1時間遅くしてたらよかった」と後悔。朝食の時間をちょっと遅めに予約することをおすすめします。
ご当地楽|囲炉裏で体験する信州のおもてなし
界ブランドが各施設ごとに用意している、地域ならではの文化や魅力を体験できる特別なおもてなしです。

囲炉裏では季節のおもてなしをご用意しています。信州名物のおやきや燗酒など、火を囲みながらどこか懐かしさを感じるひとときをお過ごしください。
時間帯 | おもてなし |
---|---|
昼(15:00〜17:00) | おやき |
夜(19:00〜21:30) | 燗酒 |
朝(6:30) | おかゆ |
おやき(15:00〜17:00)

おやきは17時までの提供。ギリギリ間に合い、焼き立てのおやきを囲炉裏でいただけました。
焼いてくれる方がとても気さくで、囲炉裏を囲んでおじいちゃん家に来たかのような、あたたかい雰囲気。正直おやき自体は少し硬めで、私はあまり好みではありませんでしたが、素朴な味が好きな方にはハマるかもしれません。体験としてはすごく楽しかったです。
燗酒(19:00〜21:30)

夕食後に立ち寄りました。がつんとしたお酒だったので、お酒好きにはたまらない。おかわりをすすめていただきましたが、「これは酔う!」と思い、1杯だけいただきました。
囲炉裏の火を眺めながら、おちょこでくいっと一杯。じんわり身体に染みわたるような、あたたかくて特別な時間でした。
早起きの贅沢「おめざがゆ」
かまどでは毎朝、「おめざがゆ」をご用意しています。
「おかゆはそこまで好きじゃないし、朝ご飯入らなくなりそうだからいいかな」と、前日までは思っていました。でも、ぐっすり眠れて早く目が覚めたので、囲炉裏へ行ってみることに。

映画みたいな風景にうっとり。かまどに火が入り、炊き上がる湯気の香りがふわっと広がり、早起きした人だけの特権です。

今まで食べたお粥で一番美味しい…
あまりの美味しさに、このあと朝食があるのに、おかわりしてしまうほど感動的な美味しさでした。お米がしっかりとした存在感なのに、固すぎず、ほどよい甘みもしっかり。温かくて、どこか懐かしいような素朴な味わいが広がります。
界アルプスへのアクセス方法
界 アルプスは「長野県・大町温泉郷」に位置しています。正直、アクセスはあまり良いとは言えませんが、その分、静かで自然豊かなロケーションが魅力です。周辺観光や移動のしやすさを考えると、レンタカー利用が一番スムーズだと感じました。
- 東京・名古屋・大阪方面から:安曇野ICより国道147号線で約60分
- 新潟・富山方面から:糸魚川ICより国道148号線で約90分
- ※12月〜3月は【冬用タイヤ必須】
- JR長野駅から特急バスで約80分(大町温泉郷下車)
- JR信濃大町駅から車またはバスで約15分
- ※冬季は路線バスの本数が少ないため、事前に時刻表の確認をおすすめします
- 信州まつもと空港からリムジンバスで約80分(大町温泉郷下車)
- ※バス利用は事前予約制です(バスの詳細はこちら)
周辺観光|一人旅で訪れたいスポット
周辺には魅力的な観光地がたくさんあります。私は「界 アルプスに宿泊すること」が目的だったのでほぼ観光はしませんでした。

2泊すればよかったかも…
大王わさび農場
大王わさび農場は、北アルプスの澄んだ空気と豊富な湧水に抱かれた、日本最大級のわさび農場です。
一歩足を踏み入れると、広がるわさび田とせせらぎの音に包まれ、自然との一体感に引き込まれます。
ここで育つわさびは、名水が育んだ本物の風味。わさびソフトクリームや、ここでしか味わえないわさびグルメも楽しめます。
ここは、今回の旅で絶対に行きたかったスポット◎水がとにかくキレイで、ただ歩いているだけで癒されました。(公式サイトはこちら)

そして念願の“わさびソフトクリーム”は、なんとわさびがドンっと添えられた大胆スタイル。ツーンとこない、香り高いわさびの風味がクリーミーなアイスと絶妙にマッチしていて、意外にもスイーツとして完成されていました。
万人ウケする味ではないけれど、「わさび=ツンとするもの」って思っている人にこそ、ぜひ一度体験していただきたいです。
小布施堂「栗の点心 朱雀(すざく)」

長野・小布施の老舗「小布施堂」が秋にだけ提供する名物スイーツが、栗の点心 朱雀(すざく)。毎年この時期になると全国から多くのファンが訪れる、まさに“幻の栗スイーツ”です。決して安くはありませんが、それでも食べたくなる魅力があります。
採れたての新栗を蒸して丁寧に裏ごしし、素麺状に仕上げた栗を砂糖などを一切加えずに、栗あんの上にふんわりと重ねた一品。栗本来の甘さと香りをこれでもかと堪能できる、究極の和栗スイーツ
食べてみると「これ、モンブランじゃない…!」と驚くかもしれません。水分がまったくない栗の繊維をダイレクトに感じるので、お茶を5杯以上おかわりしました。

中にもたっぷりの栗。真ん中に少しだけ栗あんが入っているのですが、少量でも十分なほど濃厚。最後まで栗、栗、栗。栗好きにとってはたまらない構成です。

しかもこの朱雀、提供期間はたった約1ヶ月限定!
- 提供期間は【2025年9月10日〜10月16日】予定(詳細はこちら小布施堂公式サイト)
- 小布施堂 本店・本宅限定のみ提供(他店舗では食べられません)
小布施は、街全体がまさに“栗づくし”。栗おこわもいただきましたが、どれも本当に美味しくて感動しました。長野県出身の友人が「小布施は絶対に行くべき!」とおすすめしてくれたことで、この街を初めて知り、観光することに。実際に訪れてみて、栗グルメの豊富さはもちろん、街の雰囲気もとても素敵で、歩いているだけで癒される空間でした。栗好きの方にはぜひ一度足を運んでいただきたい、おすすめのエリアです。
まとめ
初めての一人旅で訪れた「界 アルプス」は、思っていた以上にドキドキと失敗の連続でしたが、それ以上に、星野リゾートの魅力と“ひとり時間の豊かさ”に出会えた、心に残る体験の連続でした。
「星野リゾートって気になるけど、どこを選べばいいか迷う…」そんな方には、まず「界 アルプス」のような、自然と温かみのある施設から始めてみるのがおすすめです。このレポートが、一歩を踏み出すきっかけになれたら嬉しいです。